3行要約

  • 国税庁は2026年4月1日から加熱式たばこの課税方式を見直し、重量0.35g以下の「スティック型」は1本を紙巻きたばこ1本相当として、5g以下の「その他型」は1単位を20本分として課税する新区分を導入する。紙巻きたばことの税負担差を解消することが狙いとされる。
  • JTは1月27日付でこの見直しに伴う定価改定を財務大臣に申請し、2月26日付で認可を発表。「プルーム」用スティック31銘柄・「ウィズ」用カプセル6銘柄の計37銘柄が4月1日から30〜50円値上げされる(エボ550円→580円、メビウス520円→550円、キャメル500円→530円、ウィズ用カプセルは600円→620円)。
  • フィリップ モリス ジャパンも2月17日付で同様の小売定価改定の認可を発表しており、加熱式たばこ全体で紙巻きたばこに近づける方向の価格転嫁が進んでいる。

「スティック型」と「その他型」で計算方法が変わる

加熱式たばこはこれまで、重量と小売価格を基準にした換算方式で課税されてきたが、紙巻きたばこに比べて税負担が軽いとの指摘が続いていた。国税庁が示した見直し内容によれば、令和8年4月1日以降、加熱式たばこ用の製造たばこは「スティック型」と「それ以外の型」の2区分に分けられる。スティック型は1本の重量が0.35g以下の場合、1本を紙巻きたばこ1本相当とみなして課税される。スティック型以外(リーフ型など)は1単位の重量が5g以下の場合、20本分とみなして課税される仕組みに変わる。国税庁の資料では「課税の公平性の観点から」の見直しと説明されており、令和8年4月と10月の2段階で改定が実施される予定とされている。

JTは37銘柄を最大50円値上げ、PMIも追随

JTはこの課税方式見直しを受け、2026年1月27日付で「プルーム」用たばこスティック31銘柄と「ウィズ」用たばこカプセル6銘柄、計37銘柄の小売定価改定を財務大臣に申請し、2月26日付で認可を受けたことを発表した。新価格は4月1日から適用され、プルーム用スティックはエボブランドが550円から580円へ、メビウスブランドが520円から550円へ、キャメルブランドが500円から530円へと、いずれも30円の値上げとなる。ウィズ用たばこカプセルは全銘柄が600円から620円へと20円値上げされる。フィリップ モリス ジャパンも2月17日付で同様の小売定価改定認可を発表しており、加熱式たばこ市場全体で足並みをそろえた価格改定が進んでいる。なお国内のたばこ市場は、加熱式たばこを含む「プルーム」(JT)、「アイコス」(フィリップ モリス ジャパン)、「グロー」(BATJ)の主要3ブランドが中心となっており、いずれも1箱500〜600円台が主戦場となってきた。今回の値上げにより、この価格帯がさらに上振れすることになる。あわせて2026年に入ってからは、原材料費や物流コストの上昇を理由とする値上げも別途進んでおり、今回の税制対応分はそれに上乗せされる形になる点にも注意したい。

紙巻きとの価格差はさらに縮む見通し

財務省の資料によれば、防衛力強化の財源確保を目的とした段階的な税率引き上げは加熱式たばこにとどまらず、国のたばこ税自体も令和9年度・10年度・11年度にそれぞれ紙巻き換算1本あたり0.5円ずつ引き上げられる予定とされている。今回の課税方式見直しは加熱式たばこと紙巻きたばこの税負担差を解消する一段階であり、今後数年にわたって喫煙者の負担増が続く見通しだ。研究所としては、たばこ税制の見直しがシーシャ用たばこを含む他のたばこ製品カテゴリーの課税方式にどう波及するかも、あわせて注視していきたい。