3行要約
- 厚生労働省は2026年3月18日付の省令公布(医薬発0318第5号・第6号・第7号)により、大麻由来成分CBN(カンナビノール)を医薬品医療機器等法第2条第15項の指定薬物に指定し、2026年6月1日から製造・輸入・販売・所持・使用等を原則禁止した。
- THC(テトラヒドロカンナビノール)には残留限度値(オイル・粉末10ppm等)の例外規定があるのに対し、CBNにはこうした残留限度値の例外が設けられておらず、含有量にかかわらず規制対象となる点が特徴。違反時は原則3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金、業として行った場合は5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金が科され得る。
- 他に代替できる治療法がない難治性疾患・障害の患者に限り、厚労省への申請により「指定薬物の用途に係る確認書」の交付を受ければ使用を継続できる経過措置があり、事業者側にも麻薬取締部への誓約書提出など新たな実務対応が求められている。
THCとは異なる規制——“残留限度値なし”の厳格さ
厚生労働省が2026年3月18日付で公布した省令により、大麻由来のカンナビノイド成分であるCBN(カンナビノール)が医薬品医療機器等法上の指定薬物に追加され、2026年6月1日から施行された。指定薬物に指定されると、当該成分を含む製品の製造・輸入・販売・所持・使用等が原則として禁止される。厚労省の報道発表資料によれば、違反した場合の罰則は通常のケースで3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、業として(事業として)行った場合は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金とされている。
CBDオイルなど大麻由来製品をめぐっては、2024年12月12日施行の改正大麻取締法により、成分ごとの残留限度値による規制の枠組みが導入されており、THCについてはオイル・粉末で10ppm、水溶液で0.1ppm、その他の製品形状で1ppmという基準値を超えなければ規制対象外とされてきた。これに対し今回のCBN指定薬物化は、こうした残留限度値による例外を設けず、微量であっても検出されれば規制対象になるという、より厳格な枠組みが採用されている点が特徴だ。
患者だけに開かれた例外ルート
一律禁止が原則となる一方で、他に代替できる治療法がない難治性の疾患または障害と診断され、医療上の必要性が認められた患者に限っては、使用を継続できる経過措置が設けられている。対象となる患者は、厚生労働省に対し「医療等の用途に係る報告書」「診断書」「学会等への意見書発行依頼書」などの書類を提出し、審査を経て「指定薬物の用途に係る確認書」の交付を受ける必要がある。この確認書の有効期間は、交付日が属する年の翌々年12月31日までとされている。CBD等の大麻由来製品を扱う事業者側にも、麻薬取締部への誓約書提出、在庫の半期報告、帳簿の作成・保管といった新たな実務対応が求められることになった。
2024年改正大麻取締法からの規制強化の流れ
今回のCBN指定薬物化は、単発の措置ではなく、2024年12月に施行された改正大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法による規制強化の流れの延長線上にある。同改正では、大麻の部位(茎由来か否か)によって合法・違法を判断する従来の「部位規制」から、成分の残留量を基準とする「成分規制」への転換が図られ、同時に大麻の単純使用を罰する「使用罪」も新設された。2025年3月1日には栽培規制の見直しも施行され、大麻草の栽培には低THC系統の種子使用などの要件が課されている。今回のCBN規制は、このように段階的に整備されてきた大麻由来製品の規制枠組みに新たな成分区分を追加する動きであり、今後も他のカンナビノイド成分が同様の規制対象に追加される可能性がある。CBD等の大麻由来製品を扱う事業者・消費者は、成分ごとの規制状況を継続的に確認する必要がある。